クリニックのネット予約システム比較|費用相場と選び方
クリニックのネット予約システムはすでに小児科では2025年8月の調査で導入率が55%に。科目別の導入率と、選び方、初期0円〜21万円・月額1万円台〜の費用相場、おすすめ予約システムの比較、解約が増えている理由を院長向けに整理しました。
クリニックのネット予約は、小児科ではすでに55%が使っています(ミーカンパニー「SCUELデータベース」2025年8月調査)。一方、眼科では20%です。同じ「ネット予約」でも、診療科によって2.75倍の差があるため、大事なのは自分の診療科では、どのくらい使われているのかを見ることです。
この記事では、診療科ごとの導入率の見方から、予約システムを4つのタイプに分けた違い、選ぶときに確認したい6つのポイント、電子カルテとつながるかどうかの確認方法、初期費用0円〜21万円・月額1万円台〜の料金の目安まで、ネット予約を選ぶときに知っておきたいことをわかりやすく解説します。
また、最近増えている「ネット予約を入れたけれど、あとからやめるクリニック」についても、その理由を紹介します。
クリニックの予約システム導入率は診療科で2.75倍違う
まずは科目別に違うクリニックの予約システムの導入率で、自院と同じ主要科目をチェックしましょう。
全体の導入率は「誰を数えたか」で21.9%〜62%に振れる⌄
予約システムの導入率としてよく引用される数字には、次のように大きな幅があります。いずれも実在する調査結果ですが、対象がまったく違います。
| 数値 | 対象(母集団) | 調査時点 | 調査主体 |
|---|---|---|---|
| 21.9% | ホームページを保有する一般診療所・病院 66,590施設 | 2024年10月 | ミーカンパニー(SCUELデータベース) |
| 約35.3% | 開業5年以内の医院(ホームページを確認できた 63,955施設のうち) | 2023年10月 | ミーカンパニー(SCUELデータベース) |
| 62% | 2019年に新規開業したクリニック 99件(東京・大阪・兵庫・京都) | 2019年11〜12月 | 矢野経済研究所 |
※ 3つは調査主体・調査時点・母集団がいずれも異なるため、この3数値を並べて「導入率が増えた/減った」と時系列で比較することはできません。
読み取れるのは「対象が開業直後の医院に近づくほど導入率が高い」という傾向です。新規開業時は予約導線を含めて一式を設計するため導入されやすく、開業から年数が経った医院を含む全体では2割前後にとどまります。つまり既存院にとっては、ネット予約は「全員が持っているもの」ではなく、まだ差がつく余地のある領域だと言えます。
クリニック向けの予約システム4タイプに分かれる
| タイプ | 患者側の負担 | 通知の到達 | カルテ連携 | 導入の軽さ | 向く医院 |
|---|---|---|---|---|---|
| LINE対応型 | ○ | ○ | △ | ○ | 既にLINE公式を運用中/幅広い年齢層 |
| 専用アプリ型 | △ | ○ | △ | △ | 再診・リコール中心/継続通院が多い |
| Web予約特化型 | ○ | △ | △ | ○ | まず予約だけWeb化したい/低コストで始めたい |
| レセコン・電子カルテ一体型 | ○ | △ | ○ | × | 二重入力を無くしたい/これから開業・カルテ更新期 |
※ ○△× は各タイプの一般的な傾向を整理したもので、個別製品の優劣を示すものではありません。同じタイプ内でも製品によって仕様は異なります。
LINE対応型
既存のLINE公式アカウントに予約機能を載せる形です。患者側はアプリを新たに入れる必要がなく、通知も日常的に見ているアプリに届くため到達率が高いのが利点です。LINE連携CRMを既に運用している医院なら、患者接点を増やさずに予約導線を追加できます。一方、院内の予約台帳としての機能は製品差が大きいため、複数医師・複数チェアの枠管理ができるかは要確認です。
専用アプリ型
診察券・予約・問診・通知を1つのアプリに統合するタイプです。再来院の導線が強く、リコール中心の診療とは相性が良い一方、患者にアプリをダウンロードしてもらう壁があります。初診の患者にどう案内するかを運用側で設計しておく必要があります。
Web予約特化型
ブラウザで完結するため最も導入が軽く、費用も抑えやすいタイプです。差が出るのは予約UIの作り込みで、順番待ち(当日受付)と時間帯予約の切り替え、初診と再診の枠分け、担当医別の枠設定などを自院の運用どおり再現できるかが選定ポイントになります。
レセコン・電子カルテ一体型
受付から会計までを同一システムで扱うため、二重入力が起きにくいのが最大の利点です。反面、既存ベンダーの系列に選択肢が縛られやすく、料金は個別見積りが中心になります。カルテの更新期や新規開業のタイミングであれば、検討する価値が高いタイプです。Web問診まで含めて一気に整えるという判断もあり得ます。
失敗しない選び方6つの軸
タイプで候補を絞ったら、同じタイプ内での見極めに入ります。次の6軸で見ると、機能表の細部に迷わず判断できます。
- ✓① 電子カルテ・レセコンとの連携「連携できます」の実装レベルを確認する。詳細は次章。ここを最初に確認すると候補が大きく絞れる
- ✓② 自院の予約の型を再現できるか時間帯予約/順番待ち/その混合、初診と再診の枠分け、担当医別枠、複数チェア・複数ユニットの扱いを実データで確認する
- ✓③ リマインド機能の実装レベル送信チャネル、前日・当日の2段階送信、テンプレートの編集可否、そして「送信ログを院内で確認できるか」。送ったつもりの漏れを検知できるかが定着の分岐点
- ✓④ 患者側のUIとLINE連携アプリのダウンロードが不要か、高齢の患者でも迷わず押せる導線か、既存のLINE公式アカウントと統合できるか
- ✓⑤ 料金体系と従量課金の上限初期費用・月額のほか、SMS通信費などが患者数に比例して膨らむ構造かを試算する。院内端末や待合ディスプレイのハード費が別建てかも確認
- ✓⑥ 事業継続性とデータの持ち出しやすさベンダーの撤退・M&A・サービス終了時に、予約履歴や患者情報をどの形式で書き出せるか、費用は誰が負担するか。後述のとおり乗り換えは実際に増えている
とくに⑥は、比較記事の「選び方」ではあまり触れられない軸ですが、次章以降で見るとおり解約と乗り換えが現実に増えているため、契約前に必ず確認しておく価値があります。
クリニックでの予約システム導入の仕方・ステップ
選定と同じ重みで、定着の設計が必要です。おおまかには次の流れになります。
| ステップ | やること | 決めておくこと |
|---|---|---|
| ① 棚卸し | 1週間分の電話件数と予約変更の内容を記録する | どの業務を減らしたいのか |
| ② 要件の言語化 | 予約の型・連携・リマインド・予算を文書化 | 譲れない条件と諦める条件 |
| ③ 相見積り | 同一条件で2〜3社に依頼する | 診療科・チェア数・月間予約件数 |
| ④ テスト運用 | 1診療科・1曜日など狭い範囲から始める | 受付スタッフの操作確認 |
| ⑤ 院内ルール確定 | 電話予約の扱いを決め、患者へ告知する | 電話を残すか段階的に絞るか |
最大の落とし穴は電話台帳とシステム台帳の二重運用です。「電話予約をどう扱うか」を決めないまま始めると、受付の手間が増えただけという結果になりかねません。あわせて、予約ページやリマインド文面も医院からの情報発信にあたるため、治療効果を約束するような表現を含めないよう院内で確認する手順を決めておくと安全です。
電子カルテ・レセコン連携の相性をどう確かめるか
厚生労働省の令和5(2023)年医療施設調査(第161表「一般診療所数,診療録電子化(電子カルテ)の状況」)によると、一般診療所104,894施設のうち、医療機関全体で電子化している施設が45,373、一部で電子化している施設が12,289で、合計57,662施設(55.0%)が電子カルテを導入しています。つまり多くの医院ではカルテが先にあり、予約システムは後から接続する側です。連携の確認が選定の最初の関門になります。
5つの連携タイプ
| 連携レベル | 自動化される範囲 | 残る手作業・確認点 |
|---|---|---|
| ① 片方向 | 予約情報をカルテ側へ送信 | カルテ側で変更しても予約枠に反映されない |
| ② 双方向 | 予約とカルテを相互に同期 | 同期の対象(初診・キャンセルを含むか)を確認 |
| ③ 患者マスタ突合 | 患者ID・カナ氏名・生年月日で名寄せ | 突合キーが弱いと重複患者が発生する |
| ④ 手動CSV | 書き出し・取り込みで受け渡し | 件数が増えるほど受付の負荷になる |
| ⑤ 一体型 | 同一システム内で完結 | 既存ベンダー系列に選択肢が縛られる |
※ 上記のレベル分けは編集部が整理したものです。呼称や区分はベンダーによって異なります。
二重入力が残る典型パターン
- 予約は連携されるが患者情報は手入力:新患のたびにカルテ側で登録が必要になる。
- 初診が連携対象外:もっとも入力量の多い初診だけが手作業として残る。
- キャンセルがカルテ側に反映されない:空き枠の把握が受付の記憶に依存する。
カルテ自体の見直しを含めて検討する場合は電子カルテの比較もあわせて確認してください。2030年末の普及率目標をめぐる「導入は義務なのか」という論点は電子カルテ義務化の実像で整理しています。
クリニック向け予約システムの費用相場
医療DXガイド編集部が、クリニック・医療機関向けの予約システム8製品を各社の公式サイトで調査したところ、料金を公開している製品では、初期費用0円〜20万円程度、月額1,500円〜3万円程度がひとつの目安です。ただし、これは料金を公開している製品に限った相場です。
料金を「見積り非公開」としている製品もありますが、必ずしも高額という意味ではありません。診療科や施設規模、必要な機能・連携などによって料金が変わるため、個別見積りとしているケースがあります。
比較する際は、初期費用・月額料金だけでなく、SMSなどの従量課金、カルテ連携、端末費用、最低契約期間・解約費用なども確認しましょう。
補助金は使えるのか
ITツールの導入には国の補助制度を利用できる場合があります。2026年度は「デジタル化・AI導入補助金2026」(正式名称:中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金)が実施されており、通常枠の補助額は1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下、補助率は1/2以内(一定の条件を満たす場合は2/3以内)です。医療は対象業種に含まれ、医療法人は従業員300人以下であれば対象とされています。品目ごとに対象になるかの早見表や、自院ならいくら戻るかの計算は医療法人・クリニックのIT導入補助金でまとめています。
- ✓対象は「事前登録されたITツール」のみ検討中の製品がその年度の対象ツールとして登録されているかを、必ずベンダーと補助金サイトの両方で確認する
- ✓交付決定前に契約・支払いをしない先に発注すると対象外になる。スケジュールを補助金側に合わせる必要がある
- ✓補助対象外になりやすい費用を切り分けるハード費や従量課金分が対象に含まれるかは制度・年度により異なる
- ✓自治体独自の助成制度もあわせて確認する国の制度と併用できるか、どちらが有利かは地域によって異なる
※ 補助制度は年度ごとに公募回・要件・補助率・対象ツールが変わります。申請の際は必ず公式サイト(中小機構)で最新の公募要領を確認してください。締切は変更される場合があります。
クリニック向け予約システムの主要8製品
公式サイトで料金を確認できた8製品を、まず一覧で比べます。そのあとに1製品ずつ、機能と実績を見ていきます。
| 製品名 | 提供会社 | タイプ | 初期費用 | 月額 | ①カルテ 連携 |
②予約の型 | ③リマインド | ④LINE | ⑤従量課金 の明記 |
⑥データの 持ち出し |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| アポクル予約 | カルー株式会社 | Web/LINE | 0円 | 1万円〜 | ○ | 時間帯・順番 | ○LINE通知 | ○ | — | — |
| ヨヤクル | yoyakuru株式会社 | Web/LINE | 209,000円 (税別)〜 |
9,900円 (税別)〜 |
○連動実績多数 | 時間帯・順番・混在 | ○メール・自動音声 | ○LINE予約 | — | — |
| テルミーアイ | 株式会社アイアコス | Web/LINE通知 | 0円 | 17,380円 (税込)〜 |
○ORCA等 | 当日順番・時間帯 | ○ | ○通知 | — | — |
| デンタマップ プラス |
株式会社USEN-ALMEX | Web (歯科専用) |
— | 1,500〜 15,000円 |
○他社レセコン | — | ○メール | — | — | — |
| Wakumy | 株式会社レイヤード | Web/LINE通知 | 非公開 | 非公開 | ○患者情報連携 | 時間帯・順番 | ○LINE通知 | ○通知 | — | — |
| MEDICALPASS | 株式会社HERO innovation | Web/LINE | 非公開 | 非公開 | ○カルテ・レセコン | 時間帯・順番 | ○ | ○ | — | — |
| CLINICS予約 | 株式会社メドレー | 専用アプリ/Web /カルテ一体 |
非公開 | 非公開 | ○同社カルテ | 時間帯(1分単位) | — | —melmoアプリ | — | — |
| メディカル革命 byGMO |
GMOリザーブプラス株式会社 | Web/LINE | 0円 | 1,980円〜 | ○ | △事例に記載 | ○メール・SMS・LINE | ○ | ○予約登録数に応じ | — |
※ ①〜⑥は本文「失敗しない選び方6つの軸」に対応します。○=各社公式サイトに記載を確認(2026年9月時点)、△=導入事例などに記載、—=公式サイトでは確認できなかった項目で、機能が無いことを示すものではありません。タイプは公式サイトに書かれている提供形態を記したもので、本文の4タイプへの分類を断定するものではありません。絞り込みの「順番受付に対応」には、導入事例に記載のあるメディカル革命 byGMO を含めています。「リマインド通知あり」が7製品にとどまるのは、CLINICS予約について公式サイトで記載を確認できなかったためで、機能が無いという意味ではありません。
※ ⑥データの持ち出しは、8製品すべての公式サイトで記載を見つけられませんでした。
アポクル予約
カルー株式会社
料金:初期0円/月額1万円〜の完全定額制
- 時間帯予約と順番待ち予約を選んで使える
- LINEからの予約とLINE通知に対応
- 来院前にWeb問診まで済ませられる
- 電子カルテと連携して患者情報・問診データを引き継ぐ
ヨヤクル
yoyakuru株式会社
料金:初期209,000円(税別)〜/月額9,900円(税別)〜
- 100種類以上の機能から自院の運用に合わせて組み合わせる
- 料金を公式サイトで明示している数少ない製品のひとつ
テルミーアイ
株式会社アイアコス
料金:初期0円/月額17,380円(税込)〜(公式サイトでは「構成内容により変動」と案内)
- 累計2,700件以上の導入実績
- ORCAをはじめ主要メーカーの電子カルテと連携実績あり
- Web問診・LINE通知・診療状況のリアルタイム表示
- 小児科・耳鼻咽喉科・整形外科・眼科ほか、動物病院向けの仕様もある
デンタマッププラス
株式会社USEN-ALMEX
料金:月額1,500円〜15,000円
- 歯科専用(矯正歯科にも対応)
- 全国で2,000件以上の導入実績
- タブレット・スマホからチェアサイドで予約を確認・入力できる
- 他社レセコンとの連携に対応
Wakumy(ワクミー)
株式会社レイヤード
料金:公式サイトに金額の記載なし(個別見積り)
- 時間帯予約と順番受付を組み合わせて枠を埋める設計
- 無人受付で受付業務を自動化
- 同社のWeb問診「Symview」と組み合わせて使える
- 英語・中国語・韓国語などの多言語表示に対応
MEDICALPASS
株式会社HERO innovation
料金:公式サイトに金額の記載なし(個別見積り)
- アカウント数700件超・受付実績2,700万件超
- 電子カルテ/レセコン/LINEとの連携に対応
- 自動電話受付に対応し、電話からの予約も取り込める
- 複数診療科・複数医師の枠管理に対応
CLINICS予約
株式会社メドレー
料金:公式サイトに金額の記載なし(個別見積り)
- 患者アプリ「melmo」で予約から問診・チェックイン・決済までスマホで完結
- マイナ保険証に対応したチェックイン機能
- 予約枠を1分単位で調整できる
- 予約時の保険証登録の必須化や、予約料の事前決済を設定できる
※ 各社公式サイトの記載を編集部が確認したもの(2026年9月6日時点)。掲載順は前掲の料金表と同じで、推奨順位でも優劣でもありません。ここに挙げた8製品がすべてではなく、料金を公開している製品と非公開の製品を並べた結果です。料金・機能は変更されるため、検討時は必ず各社公式サイトで最新の内容をご確認ください。「詳しく見る」のリンク先は当サイト内の提供会社の紹介ページで、ここで取り上げた製品以外のサービスを扱っている場合があります。
解約が増えている理由と、乗り換え前に確認すること
予約システムの検討で見落とされがちなのが、導入後に乗り換える可能性です。前掲のSCUELデータベース(2025年8月調査)では、予約システムについて次の変化が報告されています。
| 指標 | 前年 | 最新 |
|---|---|---|
| 解約の割合(新たに導入した医療機関数に対する解約医療機関数の割合) | 31% | 43% |
| 新規契約に占めるリプレイス(乗り換え)の割合 | 9% | 20% |
この43%は「導入した医院の43%が解約した」という意味ではありません。同調査の定義は「新たに導入した医療機関の数に対して、解約した医療機関の割合」です。分母は導入済みの全施設ではなく、その期間の新規導入施設数です。数字の読み違いに注意してください。
その上で、解約とリプレイスがともに増えているという事実は重要です。背景として同調査は、2024年以降に医療ICT企業のM&Aが活発化し再編が進んでいることを挙げています。実際、オンライン診療では解約の割合が7%から61%へ急増していますが、これはLINEドクターのサービス終了による影響が大きいと同調査に明記されています。
つまり増えている解約は「製品が使えなかったから」だけではなく、ベンダー側の事業再編に伴う移行も含まれます。どれだけ慎重に選んでも、数年後にサービスが終了したり提供会社が変わったりする可能性は残ります。だからこそ、契約前に次の点を確認しておく価値があります。
- データの持ち出し方法:予約履歴・患者情報をどの形式で書き出せるか。手数料はかかるか。
- 移行時の支援範囲:サービス終了・乗り換えの際、移行作業はどちらがどこまで担うか。
- 最低契約期間と解約条件:期間内解約の扱い、解約手数料の有無。
- 患者への再告知の負担:予約URLやLINEの導線が変わると、患者への周知をやり直す必要がある。
乗り換えが2割を占める市場では、「入れて終わり」ではなく「変わる前提で選ぶ」視点が現実的です。
よくある質問
クリニックの予約システムの導入率はどれくらいですか?⌄
診療科によって大きく異なります。ミーカンパニー「SCUELデータベース」(2025年8月調査・全国の一般診療所)では小児科55%、泌尿器科・消化器科24〜26%、眼科20%です。全体の数字としては、ホームページを保有する診療所・病院66,590施設を対象とした調査で21.9%(2024年10月)、開業5年以内では約35.3%(2023年10月)、2019年の新規開業クリニック99件を対象とした矢野経済研究所の調査では62%となっています。これらは母集団と調査年が異なるため、単純に比較して増減を語ることはできません。
予約システムの費用はどれくらいかかりますか?⌄
公式サイトで料金を公開している製品では、初期費用0円〜21万円程度、月額1,500円〜3万円弱の範囲です(2026年7月時点)。ただし多機能な製品や大手ベンダーは非公開・個別見積りが主流のため、これは市場全体の相場ではありません。SMS等の従量課金、待合ディスプレイなどのハード費、カルテ連携オプション費が別建てになる場合があるので、同じ前提条件で相見積りを取ることをおすすめします。
電子カルテと連携できないと困りますか?⌄
一般診療所の55%(104,894施設中57,662施設/厚生労働省 令和5年医療施設調査)は既に電子カルテを導入しており、多くの医院ではカルテが先にある状態です。ただし連携の必要度は予約件数と受付体制によって変わります。重要なのは「連携可」という言葉だけで判断せず、片方向か双方向か、患者マスタの突合ができるか、初診やキャンセルが対象に含まれるかを確認することです。ここが曖昧だと二重入力が残ります。
LINE予約と専用アプリはどちらがよいですか?⌄
優劣ではなく、患者層と運用体制で決まります。LINE対応型は患者がアプリを新たに入れる必要がなく通知の到達率が高い一方、専用アプリ型は診察券・問診・通知を統合しやすく再来院の導線を作りやすいという違いがあります。既にLINE公式アカウントを運用しているか、患者の年齢層、リマインドをどのチャネルで届けたいかを基準に検討してください。
導入したのに使われない・解約に至るのはなぜですか?⌄
SCUELデータベース(2025年8月調査)では、予約システムの解約の割合が31%から43%へ、新規契約に占める乗り換えの割合が9%から20%へ増加しています。背景として同調査は医療ICT企業のM&Aによる再編を挙げており、オンライン診療の解約急増(7%→61%)はLINEドクターのサービス終了の影響と明記されています。つまり製品の使い勝手だけが理由ではありません。院内側の要因としては、電話台帳との二重運用が残る、リマインドが受付の手作業に戻る、患者への告知が足りず利用が伸びない、といった定着面の課題が考えられます。テスト運用と院内ルール(とくに電話予約の扱い)を先に決めることが有効です。
まとめ
ネット予約は「すでに全員が持っているもの」ではありません。診療科別に見れば小児科55%、眼科20%と2.75倍の差があり、全体では2割前後です。まず自院の診療科の相場を出発点にしてください。
比較の起点は機能表ではなく、電子カルテとの連携レベルと自院の予約の型を再現できるかの2点です。この2つで候補は大きく絞れます。費用は公開されている範囲で初期0円〜21万円・月額1,500円〜3万円弱ですが、非公開が主流であることを前提に、同一条件の相見積りで比べるのが確実です。
そして解約とリプレイスがともに増えている市場では、選定と同じ重みでデータの持ち出しやすさと定着の設計に投資する価値があります。医療DX全体での優先順位を整理したい場合はクリニック医療DXの全体設計を、キャンセル対策から取り組む場合はキャンセル率の目安と対策もあわせてご覧ください。自院の状況に合う候補を絞るには、無料診断もご利用いただけます。
本記事は編集プロセスの一部で生成AIの技術を活用し、その上で医療DXガイド編集スタッフが確認・加筆・修正したうえで掲載しています。