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電子カルテ「義務化」の誤解、2030年目標で院長が決めること
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電子カルテ「義務化」の誤解、2030年目標で院長が決めること

2026年7月21日の記者会見で、厚生労働大臣が電子カルテの「義務化」について説明しました。2030年末に普及率を約100%とする目標の達成義務は政府に課されたもので、医療機関に導入を義務付けるものではありません。既存の電子カルテを標準仕様に合わせて改修・更新する必要もありません。

2026年7月21日の記者会見で、厚生労働大臣が電子カルテの「義務化」について明確な説明を行いました。2030年末までに普及率を約100%とする目標の達成義務は政府に課されたもので、医療機関に導入を義務付けるものではない、という内容です。

紙カルテの診療所が2030年を期限に導入する必要はなく、導入済みの医院も、2026年3月に公表された標準仕様に合わせて直ちに改修・更新する必要はありません。院長が見るべき時期は、行政の年限ではなく、レセコンや電子カルテの保守満了、承継、開業、スタッフ体制の変更です。

電子カルテの義務化ではなく、2030年は政府の普及目標

2025年12月に成立した医療法等改正法により、2030年12月31日までに電子カルテの普及率を約100%とする目標が置かれました。条文の主語は「政府は」です。2026年7月21日の会見でも、大臣は「この規定の目標達成の義務は政府に課されたものであるので、医療機関に電子カルテの導入を義務付けるものではありません。」と説明しました。

論点現在の扱い院長への影響
2030年末の約100%目標政府の普及目標医療機関ごとの導入期限ではない
電子カルテ未導入未導入への罰則はない期限を理由に契約を急ぐ必要はない
2026年3月公表の標準仕様ベンダー向け既存システムの改修命令ではない
標準型電子カルテ・導入版開発中で利用は任意紙カルテの診療所にとって将来の選択肢

大臣は標準仕様についても「既に電子カルテを導入している医療機関に対して、システム改修や更新を求めるものではありません。医療機関が、現在利用している電子カルテを継続して利用いただくことは可能です。」と述べています。標準仕様に準拠した電子カルテの利用は「期待している」という位置づけです。

自院への影響は、カルテの利用状況で変わる

紙カルテを続けている医院は、2030年から逆算する必要はありません。レセコンの保守満了、院長の承継予定、受付スタッフの体制変更など、自院の事情が重なる時期に検討できます。開発中の標準型電子カルテ・導入版は、紙カルテの診療所でも使えるようシンプルな画面設計とし、電子カルテ情報共有サービスによる情報連携を行えるようにする予定です。ただし、提供時期・費用・機能の詳細は公表されていません。

電子カルテを導入済みで保守期間が残っている医院は、標準仕様の公表を理由に更新を前倒しする必要はありません。オンプレミス型も使い続けられます。保守満了やサポート終了が近いなら、その更新時に情報連携やデータ移行の条件を比較します。

これから開業・承継する場合は、受付、カルテ、レセコン、会計、情報連携をまとめて設計できる時期です。認証制度は要件と日程の「検討のたたき台」が公表された段階なので、認証の有無だけで候補を絞らず、ベンダーの取得方針を確認します。詳しい要件は電子カルテ認証制度の記事で確認できます。

導入や更新は、自院側のタイミングで決める

導入を検討するきっかけは、2030年が近づいたことではなく、今の運用を変える理由が生じたときです。紙から電子へ移すなら、製品を選ぶ前に、過去のカルテをどこまで電子化するか、紙と電子を並行運用する期間、受付とレセプト業務の分担を決めます。同規模・同じ診療科で紙から移行した事例をベンダーに示してもらうと、自院の移行計画と比べられます。過去分をすべてスキャンするか、移行日以降だけ電子化するかによって、作業量と稼働までの準備は変わります。稼働日だけを先に決めず、移行期の運用まで見積りに含めます。

導入済みの医院は、カルテの有無よりも、他院・患者・薬局との間で必要なデータが出入りするかを見ます。追加投資は、次回の診療報酬改定、契約更新、自院の患者動向を確認してから判断できます。投資の優先順位はクリニック医療DXの全体設計も参考になります。

費用は「加算で回収できるか」と総額で見る

制度上の義務がなくても、診療報酬を踏まえて導入する医院は増えています。2026年7月22日の中医協総会に報告された資料では、医療DX推進体制整備加算の届出は、診療所で47,166施設、病院で4,622施設でした。診療所は前年から13,997施設増えています。ただし、この加算は2024年6月に新設され、前年の集計は制度開始直後です。増加の原因までは公表資料から特定できません。

投資判断では、自院で算定対象になりうる患者数、最新の告示で確認した1件当たりの点数、カルテ・レセコン・情報連携の月額費用を同じ表に置きます。個別の点数や施設基準は改定で変わるため、最新の告示・通知と所轄の地方厚生局の案内で確認します。

見積りは初期費用だけでなく、月額、診療報酬改定への対応費、情報連携のオプション、ハードウェア、データ移行、最低契約期間、解約時の費用を同じ条件で比べます。候補は電子カルテ一覧から確認できます。

更新・新規導入ではベンダーに5点を確認する

契約前に、次の回答を文書で受け取ります。現在の製品を使い続ける医院でも、次回更新に備えて確認しておくと比較条件がそろいます。

  1. 標準仕様への対応方針:2026年3月31日公表の1.0版に、いつ、どのバージョンで対応するか。有償か無償か。
  2. 電子カルテ情報共有サービスへの接続:対応の可否、予定時期、追加費用、必要なネットワーク条件。
  3. 認証制度への対応方針:Ver1.0認証の取得を目指すか。取得や更新に伴う費用を誰が負担するか。
  4. データの持ち出し:解約、乗り換え、サービス終了時に、診療記録をどの形式で出せるか。作業主体と費用。
  5. 保守と総額:サポート終了時期と、初期費用・月額・改定対応費・更新費を含む5年間の総額。

認証製品の提供開始は2027年4月を目指すとされていますが、認証制度の要件と日程は検討段階です。現時点で認証の有無を選定条件にすると、候補を早く絞りすぎることになります。

標準仕様・標準型電子カルテ・認証制度は別の話

標準仕様はベンダー向けの基本要件で、1.0版が2026年3月31日に公表されました。正式名称には「電子カルテ及びレセプトコンピュータ標準仕様書」とあり、カルテ単体ではなくレセコンを含めた基本要件です。標準型電子カルテ・導入版は国が開発中のシステムです。完成は2026年度中が目途とされていますが、完成と市場での提供開始は同じ意味ではありません。提供開始の時期、費用、機能の詳細が出てから、自院の運用に合うかを判断できます。認証制度は厚生労働省がベンダー製品を認証する仕組みで、要件と日程のたたき台が2026年6月26日に公表されました。いずれも医療機関への導入義務を設けたものではありません。

認証のたたき台では、対象となる製品にパブリッククラウド環境、SaaS型、マルチテナント方式などの要件が示されています。これは製品側の認証要件であり、医院がオンプレミス型を使い続けることを禁じるものではありません。補助の金額・補助率・対象要件は示されていません。歯科医療機関の具体的な対応方針は、2026年度中に決定するとされています。

まとめ

  • 2030年末の約100%は政府の普及目標で、医療機関への電子カルテ導入義務ではない
  • 既存の電子カルテは継続利用でき、標準仕様を理由に改修・更新を急ぐ必要はない
  • 紙カルテの医院は、保守満了、承継、スタッフ体制など自院のタイミングで判断できる
  • 導入・更新では、加算での回収見込み、情報連携、5年間の総額、データの持ち出し条件を確認する

本記事は編集プロセスの一部で生成AIの技術を活用し、その上で医療DXガイド編集スタッフが確認・加筆・修正したうえで掲載しています。