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AI時代にMEOはまだ重要か、Googleマップの現在地
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AI時代にMEOはまだ重要か、Googleマップの現在地

AIに聞いて店や病院を探す人が増えたと言われるなか、Googleマップはまだ見られているのか。店舗選びで「口コミの内容」を見る人が70.0%という民間調査と、厚生労働省の受療行動調査の2つから、医療でどこまで言えるのかを整理します。

AIに聞いて店や病院を探す人が増えたと言われます。では、Googleマップはもう見られていないのか。2026年6月11日公表の調査では、Googleマップで店舗を選ぶとき最も確認される情報は「口コミの内容」で70.0%でした。地図の口コミは、いまも見られています

ただし対象は全国の20代〜50代の男女303名で、クリニックの利用者を対象とした調査ではありません。医療ではどこまで言えるのかを、公的統計と併せて確認します。

Googleマップで最も見られたのは「口コミの内容」70.0%

設問は「Googleマップで店舗を選ぶ際、どの情報を確認しますか?(複数回答)」。1位が「口コミの内容」で70.0%、2位が「評価(星の数)」で49.8%でした。

読むときの前提が3つあります。1つ目は、対象が全国の20代〜50代の男女(インターネットユーザー)303名で、2026年5月のインターネットアンケートであること。2つ目は、クリニックを対象とした調査ではないことです。プレスリリースがクリニックに触れているのは「調査の背景」の1文だけで、業種別のデータはありません。

3つ目は、調査の主体がMEO・SEO対策を販売する事業者自身であること。公的統計と同じ重みで扱う材料ではありません。設問も「どの情報を確認するか」であって、来店の決定要因ではありません。

公的統計が測っているのは、地図の口コミではない

医療機関の選び方については、厚生労働省が受療行動調査を実施しています。対象は全国の一般病院を利用する患者で、診療所・クリニックは調査の客体に含まれません。以下の数値は一般病院の外来患者のものです。

令和5年(2023年)調査では、ふだん医療機関にかかる時に「情報を入手している」外来患者が80.7%。入手先の割合は、この80.7%を100として集計されています。最も高いのは「家族・友人・知人の口コミ」の68.4%、次いで「医療機関が発信するインターネットの情報」が28.8%、「SNS、電子掲示板やブログ」が18.1%です。

ここでいう口コミは、調査票の上では対人の口コミです。口コミサイトやレビューにあたる選択肢は、調査票にそもそも置かれていません。公的統計は、地図サービス上の口コミを一度も測っていません

医療でもオンラインの情報を参照する患者は増えている

同じ調査の平成29年(2017年)版と並べると、6年間の動きが見えます。家族・友人・知人からの口コミは70.6%から68.4%へ。「医療機関が発信するインターネットの情報」は21.1%から28.8%へ、「SNS、電子掲示板やブログ」は12.0%から18.1%へ。対人の口コミはほぼ横ばいで、オンライン系の2項目が伸びています

受療行動調査における医療機関の情報入手先の推移。対人の口コミが最多で、インターネットとSNSが増加
厚生労働省「受療行動調査」(平成29年/令和5年・概数)より作成。対象は一般病院の外来患者で、診療所・クリニックは含まれない。

ただし厚生労働省は、令和2年及び令和5年調査は調査票の配布・回収方法を変更したため、調査結果の年次比較には留意が必要である、と注記しています。

「医療機関が発信するインターネットの情報」は、医療機関が自ら出す情報の項目です。Googleマップでも口コミでもありません。言えるのは、医療機関を探すときにオンラインの情報を参照する患者が増えている、というところまでです

ここから先は編集部の見立てです。クリニックを対象にGoogleマップの見られ方を測った公的データは見当たりません。それでも、医療でオンライン参照が増えているという公的統計がある以上、クリニック選びでもおおむね同様の結果になるだろうと考えています。AIの利用が広がっても、地図の掲載情報を正確に保つ意味は減っていないはずです。

対策する価値はある。ただし一般店舗にない制約がある

医療広告ガイドラインは診療所も対象です。医療法第6条の5第1項が「病院若しくは診療所に関して」と定めています。

ガイドラインは、①誘引性(患者の受診等を誘引する意図)と②特定性(病院や診療所の名称などが特定できること)の両方を満たす広告を規制の対象としています。そのうえで「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談」は医療広告として認められないとしています。

Q&Aは具体例を挙げます。「例えば、医療機関が患者やその家族に(有償・無償を問わず)肯定的な体験談の投稿を依頼した場合は、当該体験談には誘引性が生じます。」一方、医療機関の影響を受けずに患者や家族が行う推薦に留まる限り、誘引性は生じないとしています。

患者の体験談が広告に該当するかの整理。自院サイト掲載と第三者の口コミサイトで扱いが異なる
医療広告ガイドライン本体および同Q&A A1-18より作成。

ガイドライン本体は、当該病院等が自らのウェブサイト等に掲載する治療等の内容又は効果に関する体験談は広告に該当する、と明記しています。Googleの口コミを自院サイトに転載・埋め込みで表示する運用は、この記述に照らして確認が必要です

同じ本体は、第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載は、費用負担等の便宜を図って依頼するなどによる誘引性が認められない場合は広告に該当しない、ともしています。患者が自発的に書いた口コミは、依頼も費用負担もしていなければ広告には当たりません

地図サービスの口コミ欄がこの「口コミサイト等」に含まれるかは、文言上明示されていません。本体にもQ&Aにも「Googleマップ」の語がないためです。

対象は「治療等の内容又は効果に関する」体験談に限られます。待ち時間や受付の対応など、治療の内容や効果に触れない感想は当たりません。

Googleのクチコミに関するポリシーは、医療機関に限らず、金銭や現物を対価とするクチコミと、投稿や修正・削除と引き換えにインセンティブを提供する行為を禁じています。医療広告ガイドラインとは別軸の、プラットフォーム側のルールです。

一般店舗向けのMEOでは「口コミ投稿をお願いする」が定石です。医療機関では、肯定的な体験談の投稿を依頼する行為が、Q&Aに照らせば誘引性の生じる側にあたります。迷う場合は所管の自治体窓口や専門家に確認するのが確実です。

使えたのは、一般消費者と一般病院の患者を対象とした2つの調査だけでした。クリニックを対象にした調査が公表され次第、続報を出します

出典:株式会社ナレッジホールディングス「【調査リリース】Googleマップで店舗を決めるとき、消費者が最も見ているのは『口コミの内容』で約70%──(以下略)」(2026年6月11日/PR TIMES)。同調査は全国の20代〜50代の男女303名を対象としたインターネットアンケートであり、医療機関の利用者を対象とした調査ではありません。厚生労働省「令和5年受療行動調査(概数)の概況」、同「平成29年受療行動調査(概数)の概況」。受療行動調査は全国の一般病院を利用する患者が対象で、診療所・クリニックは含まれません。情報の入手先の割合は各年の「情報を入手している」者(2017年77.7%/2023年80.7%)を100とした値です。令和2年及び令和5年調査は調査票の配布・回収方法が変更されており、厚生労働省が調査結果の年次比較には留意が必要としています。厚生労働省「医療広告ガイドライン」、同「医療広告ガイドラインに関するQ&A」(Q&Aは平成30年8月作成・同年10月改訂)。両文書に地図サービスの固有名に関する記載はなく、本記事の記述はガイドラインの文言に基づく整理です。Google「クチコミに関するポリシー」(最終確認:2026年8月17日)。

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