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電子カルテの全国共有、今冬から? 診療所はまだ改修を発注しなくていい
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電子カルテの全国共有、今冬から? 診療所はまだ改修を発注しなくていい

厚生労働省の電子カルテ情報共有サービスが、令和8年度の冬頃に全国で運用開始される見込みです。診療所に接続の義務はなく、国の補助金の区分も病院だけ。冬までに自院で確認するのはオンライン資格確認の有無だけです。

2026年9月10日、厚生労働省の医療等情報利活用ワーキンググループに、電子カルテ情報共有サービスの今後のスケジュール案が示されました。「令和8年度の冬頃をメドに全国で利用可能な状態にすること(運用開始)を目指す」という内容です。

ただし現時点で、診療所が電子カルテの改修を発注する段階ではありません。同省がシステムベンダ向けに公開している技術解説書は、次の改版で正式な適用開始時期を示すまで「医療機関等での導入および電子カルテシステム等における実装は必要ありません」と書いています。

診療所に接続の義務はなく、接続改修に対する国の補助も、対象は現時点では病院の2区分です。令和8年度の冬頃までに確認しておきたいのは、まずオンライン資格確認の導入状況です。

令和8年度の冬頃に予定されているのは「全国での運用開始」。実際の利用開始は準備が整った医療機関から順次

全国で利用可能となるのがこの時期で、実際の利用開始は、準備が整った医療機関から順次となります。一次資料では、時期を「目標」「メド」と表現しており、確定した期日ではありません。

ワーキンググループの資料は、全国的な運用開始時には「利用準備ができた電子カルテを導入した医療機関から、順次利用が可能となる」としており、その導入時期を「主に各医療機関の電子カルテ更新時期を想定」と注記しています。

準備・検証は現在も継続しています。令和8年10月からは「技術解説書(検証用)」を使った再度の検証が始まり、その結果を反映した「技術解説書(運用開始用)」が令和8年度の冬頃に公開される予定です。

共有対象は3文書・6情報に限られる。SOAPの所見や診療上のメモは共有対象ではない

共有の対象は3文書と6情報に限られます。「電子カルテ内の診療記録情報すべてが他の医療機関に見られてしまいますか?」という問いに、厚生労働省の概要案内は「診療録(SOAP)に記載した患者所見や診療業務上のメモ等の情報が全て共有されるわけではありません」と答えています。

区分共有される内容
文書①診療情報提供書(紹介状)。退院時サマリー等を添付できる
文書②退院時サマリー
文書③健康診断結果報告書
情報①傷病名
情報②感染症(梅毒STS・梅毒TP抗体・HBs・HCV・HIVの検査結果)
情報③薬剤アレルギー等
情報④その他アレルギー等
情報⑤検査(救急・生活習慣病に関する43項目)
情報⑥処方情報(文書からの抽出のみ)

傷病名の扱いは令和8年7月に見直されました。電子カルテの病名リストに記載されている傷病名は原則としてすべて登録し、他の医療機関へはそのすべてを共有する方針です。一方、患者本人への共有は、誤解なく受け取れると医師が判断した傷病名に限られます。

一般の診療所に接続義務はない。努力義務の対象は地域医療支援病院等の管理者

一般の診療所が電子カルテ情報共有サービスに接続しなければならないという法律上の義務はありません。厚生労働省が示している制度の概要で、法律に規定する内容として挙げられているのは「地域医療支援病院等の管理者に3文書・6情報の共有に関する体制整備の努力義務を設ける」であり、対象は病院の一部の区分です。

患者の同意は、情報の提供時と閲覧時で扱いが異なります。医療機関が3文書6情報を支払基金等に提供する場面では、制度の概要が「個人情報保護法の例外として、提供する際の患者の同意取得を不要とする」としています。これに対し、他の医療機関がその情報を閲覧する場面では「他の医療機関が閲覧する際には患者の同意が必要」です。

電子カルテの導入そのものが義務化されたわけではない、という別の論点は電子カルテ「義務化」の誤解で扱っています。

現時点で改修を発注する必要はない。冬頃までに確認しておきたいのはオンライン資格確認の導入状況

厚生労働省の技術解説書2.1.0版(令和8年6月)は、7.3「【重要】本書に記載されている仕様の扱い」で、次回改版において正式な適用開始タイミングを示すまでは「医療機関等での導入および電子カルテシステム等における実装は必要ありません」と明記しています。冒頭の改版経緯にも「次版が公表されるまでの間は、モデル事業以外において、本書に基づく実装・導入は控えてください」とあります。現時点では、国の資料上、共有サービスへの対応改修を発注する必要性は示されていません。

先に確認しておきたいのがオンライン資格確認です。概要案内のQ&Aは、サービスを始めるにはまず何をすればよいかという問いに「利用にあたり、オンライン資格確認を導入している必要があるため、導入していない方は、お早めに準備をお願いします」と答えています。未導入の医療機関は、電子カルテ情報共有サービスへの対応に先立ち、オンライン資格確認の導入が必要です。

次に確認すべきなのは、令和8年度の冬頃に公開される「技術解説書(運用開始用)」です。電子カルテの選定については電子カルテ認証制度の記事で詳しく解説しています。

国の補助対象は現時点では病院の2区分。交付要領上、診療所は補助対象に含まれていない

接続のための改修を対象にした国の補助金は、電子カルテ情報標準規格準拠対応事業です。補助上限は病床数で2区分に分かれています。

区分3文書6情報の場合2文書6情報の場合
大規模病院(病床数200床以上)6,579千円を上限に補助5,081千円を上限に補助
中小規模病院(病床数199床〜20床)5,457千円を上限に補助4,085千円を上限に補助

いずれも事業額の1/2が補助されます。表の区分は病床数20床以上で切られており、診療所にあたる区分は置かれていません。交付要領も交付対象事業を「健康保険法第63条第3項各号に規定する病院」と定義しており、交付対象として診療所は規定されていません。

診療所を含む接続支援は、2026年9月のワーキンググループ資料に付いた電子カルテ普及計画(案)の施策欄に挙がっています。ただし令和9年度の概算要求に盛り込んだ段階で、今後変更される可能性があると同じ資料に注記されています。

運用開始時期は当初予定から約1年後ろ倒し。冬の運用開始時期だけを基準に設備投資や更改計画を前倒ししない

当初のロードマップでは令和7年度中の本番稼働が予定されていました。2024年1月の第20回ワーキンググループ資料には「(令和7年度中)本番稼働」と書かれています。

項目2024年1月・第20回WG資料2026年9月・第35回WG資料
運用開始の時期(令和7年度中)本番稼働令和8年度の冬頃をメドに全国で利用可能な状態にすることを目指す
書きぶりロードマップ上の予定「今後以下のスケジュールで進めることとしてはどうか」という提案
診療所の接続義務法律上の義務はない変わっていない
国の補助の区分病院の2区分のみ変わっていない

技術解説書の次版についても「状況に応じて時期が前後する可能性があります」と書かれています。2.1.0版でも登録基準が見直されており、仕様は現在も見直しが続いています。

運用開始時期ではなく、自院の電子カルテの更新時期を起点に設備投資・更改を計画してください。

まとめ

  • 令和8年度の冬頃に起きるのは全国での運用開始。実際の利用開始は準備が整った医療機関から順次
  • 共有対象は3文書・6情報に限られる。診療録(SOAP)の患者所見や院内メモは対象外
  • 診療所に接続の法的な義務はない。努力義務が置かれているのは地域医療支援病院等の管理者
  • 技術解説書が次の改版まで導入も実装も不要と書いている。現時点で改修を発注する必要はなく、確認しておきたいのはオンライン資格確認の導入状況
  • 国の補助対象は現時点では病院の2区分で診療所は含まれない。診療所向けの接続支援は令和9年度概算要求に盛り込まれた案の段階

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本記事は編集プロセスの一部で生成AIの技術を活用し、その上で医療DXガイド編集スタッフが確認・加筆・修正したうえで掲載しています。

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