医療DXガイド
生成AIで調べて来た患者、自院の問診票で数えられるか
医療業界ニュース読了目安 3分

生成AIで調べて来た患者、自院の問診票で数えられるか

札幌の歯科医院が患者156名の問診票を数え、来院のきっかけ欄に「生成AIで調べた」という記入が2件ありました。選択肢には無い言葉でした。AI経由の来院を自院で数えるには、問診票をどう変えればよいかを考えます。

2026年10月28日、札幌市で歯科情報サイトも運営する自由診療専門の歯科医院が、患者156名の問診票を数えた結果を公表しました。「当院を知ったきっかけ」の欄に、生成AIで調べたという記入が2件ありました。生成AIで集めたデータではなく、患者が紙に書いた言葉を医院が数えたものです。

2件とも、問診票の選択肢には無い言葉でした。AIで調べて来た患者がいても、本人が書き足さない限り問診票には出てきません。自院で数えるには何を変えればよいかを考えます。

選択肢に無いのに、156名中2名が「AIで調べた」と書いた

問診票の「当院を知ったきっかけ」欄に生成AIの選択肢は無く、2件はどちらも患者が自分で書き足した言葉でした。記入は「AIでしらべた」「チャットGPTで調べてみた」です。1つの医院の記録で、医院自身も割合としては扱えないとしています。

数えたのは、調査に協力した患者の紙の問診票です(Web問診を印字し、手書きで追記したものを含みます)。問診票は様式が3種類あり、選択肢も様式ごとに違います。発表した医院は歯周病やインプラントの治療を行う自由診療専門の医院で、保険診療が中心のクリニックとは患者層が異なります。どの期間に来院した患者か、156名をどう選んだかは公表されていません。

生成AIを使ったことがある人は58.8%、60代でも33.5%

総務省の令和8年版(2026年版)情報通信白書では、生成AIサービスを一つでも使ったことがある人は、15〜69歳で58.8%でした。生成AIを使ったことがある人の割合で、医療機関を探すのに使った人の割合ではありません。

年代別では50代が44.2%、60代が33.5%です。前年度の調査は20歳以上が対象で26.7%でした。今回の調査を20歳以上に限ると52.2%で、白書は利用経験率がこの1年間で大きく上昇したとしています。

AIで店や病院を探す人が増えたと言われるなか、地図の情報がどう見られているかは「AI時代にMEOはまだ重要か、Googleマップの現在地」で取り上げました。

数えたいなら、来院のきっかけに「生成AI」を選択肢として置く

選択肢に無い入口は、患者が自分で書き足さない限り問診票に現れません。国の調査も同じで、厚生労働省の2023年の受療行動調査は、ふだん医療機関にかかる時の情報の入手先の選択肢に生成AIを置いていません(対象は一般病院の患者です)。

ここからは編集部の見立てです。AI経由の来院を知りたいなら、「当院を知ったきっかけ」に生成AIを選択肢として加えるのが近道です。選択肢が無いと、AIで調べた患者は「インターネット」などに丸を付けるか、何も書かずに済ませると考えられるためです。自由記述だけに頼ると、数は少なめに出ます。今回の2件も、書き足してくれた患者の分だけです。

  • 「生成AI(ChatGPTなど)」を独立した選択肢にする「インターネット検索」と同じ項目にまとめると、あとから分けられません。
  • 自由記述欄も残すどのサービスで調べたかは、書いてもらわないと分かりません。
  • 紙とWeb問診で選択肢をそろえる様式ごとに選択肢が違うと、全体の件数を出せません。

数えられるのは「AIで調べた」という入口までです。AIが自院について何と答えたか、その内容が正しかったかは、問診票からは分かりません。

Web問診の会社一覧をみる →

まとめ

  • 患者156名の問診票で、来院のきっかけ欄に生成AIの記入が2件。どちらも選択肢に無い自由記述で、1医院の記録のため割合にはできない
  • 生成AIを使ったことがある人は58.8%、60代で33.5%(総務省)。医療機関探しでの利用率ではない
  • 国の患者調査(2023年)も、情報の入手先の選択肢に生成AIを置いていない
  • 自院で数えるなら、来院のきっかけに生成AIを独立した選択肢として置く(編集部の見立て)

患者が予約の前に何を見て医院を選んでいるかは「予約前の取りこぼし22.7% 自院サイトに何を書き足すか」で扱っています。

本記事は編集プロセスの一部で生成AIの技術を活用し、その上で医療DXガイド編集スタッフが確認・加筆・修正したうえで掲載しています。